府能隧道

10.12.30     ■ 地図

 

 

 

国道438号線

待避場を除けば乗用車同士の離合すら困難な完全一車線が続くショボ道ではあるが

歴としたとした現役国道


 

 

 

頼り無い国道をひた走るとそれは現れた

 


 

 

 

府能隧道

 

徳島県 国道438号線 竣工年1923年(大正12年)  延長180m 高さ3.3m 幅員3.7m

 

実に着手より6年の歳月を要し完成した(愛媛県Mさんより情報頂きました ありがとう御座いました)

アーチには煉瓦を多用し一部に石が使われておりオール石積みのような重圧感は無く上品に仕上げられ

近代土木遺産に認定されている

現在では内壁の一部に御覧の様なライナー補強が施されている

片側交互通行の看板があるが 看板などなくても現状幅員狭くパッと見で離合困難と分かる

 


 

 

 

ライナーの隙間を覗き込んでみると内壁は凸凹形の吹き付けがされており

どうやら当時からオール煉瓦巻きではなかった感じがする 当初は素掘りだったのだろうか

照明には蛍光灯が使用されている

 


 

 

一見薄暗く湿っぽいようだか 坑内は乾燥し清潔感すら感じ 口径も小さいが圧迫感や恐怖は感じない

 


 

 

穴は直線的で高低差もほとんどなく 出口が綺麗に確認できる

照明が蛍光灯な為 何とも言えない雰囲気だ

 


 

 

反対側のほうがなかなかのヤレ方で雰囲気は良いように感じる

竣工より90年、老いた姿で数年前まで主道でこの狭口に大型車が行き交っていたとは恐れ入る

物流業界では難所中の難所として有名だったに違いない

まさに酷道と言えるだろう

2007年(H19)にバイパス新府能トンネル開通と共に旧道への利用量は激減し

今では現役ながら通行量は皆無で静かに余生をおくっている

 

 
 
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