モンキーメカターボ Z50Jメカニカルターボ



 

今回は過給機に挑戦です

過給機? んん~なんだかわからないや~ と思わずに一杯ひっかけながら肩の力を抜いてお付き合いして頂ければと思います

ええ~とまず暖気運転としてエンジンチューンについてザクッといくつか

オートバイではエンジンチューンといえば排気量を増やす方法が一般的かと思いますのでそこいらあたりからお話ししていきたいと思います

まず原付など小排気量でよく耳にする「ボアアップ」 これはボア(シリンダー内径)を広げてそれに見合ったピストンを突っ込んでやるだけなのでパワーUPをする手法として

バランスを度外視すれば最も簡単でコストも最小限ですむ事が多いチューンかと思います 

ともう一つ 「ストロークアップ」 これはピストンの上下運動距離を長くするのでクランクの変更をする訳ですからエンジンをいったん下ろしケースを割り全バラし燃焼室容積

の調整もしなくてはなりませんので「ボアアップ」のように簡単にはいきません SRなどビックシングル愛好家の中ではよく耳にする「ストローカー」なんてやつですね

まぁ~どちらも排気量自体を大きくするので一発で体感的に感じるので一般的に人気がある手法です

上記を味わってしまったチューナーの中でさらなるチューンとして「フィーリング」に目覚めた方が進む道としてバランスドやポート拡張、ハイカム、面研、電装系などを施す「メカチューン」があります

この辺りになると単なるパワーアップと違い繊細な領域なのである程度の経験値が必要になって寝ても覚めても考えていることは一つ

頭の中は内燃機でいっぱいなチューナーが多いのではないでしょうか

まぁ~なんとなくわかって頂いたとして~ つまりクラス上位のパフォーマンスを狙うにはトライ&エラーの連続でなかなか大変だと言う事です

そんな中で比較的簡単にパワーを上げる方法が他にもあります  それが「過給機」です

一般的に 「スーパーチャージャー」と「ターボチャージャー」があり どちらも構造は簡単で強制的に過給する事でパワーを得る装置です

このあたりのチューナーになると色んな経験を積んでいるので単体のチューニングでは満足できず複数を組み合わせる「メカチューン」+「ターボチャージャー」=メカターボ

「スーパーチャージャー」+「ターボチャージャー」=スーパーターボ  中には全てを組み合わせた「スーパーメカターボ」なんて変態的な方もいらっしゃいます

いつ完成するのか分かりませんがこの場を通じて少しでも皆様の工作のヒントになれば幸いです


   左がべースエンジンで現在の仕様です

ボアップにハイカム ハイコンプ キャブ クラッチ トランス変更・・・ まぁ~確かに一般的なこんなセットで別物の様に

鋭い走りにはなりました

でもね でもです 作る喜び  そう  「作る」の根っこには常に挑戦があり戦いがあります

弛みない努力で徐々に技量は増してゆき増した分次の壁はさらに高くなります これがずっとずっと永遠に続くなんとも

恐ろしい世界な訳ですな これが。

最近追加暇つぶしに まぁ~ロンスイやらディスクブレーキやらやってみました

買ってきた物をパパッとボルトオンの完成が約束された安心作業・・・   つまんない ・・・

じゃ 次何する! どぉする?!

あれか  あぁ~あれやってみっか て事で

今まで過給機には興味がありませんでしたが ターボってヤツを何とな~くやってみる事になりました


   で 左のこれがタービン(IHI B32R)です 主に600㏄クラスに使われている物らしいです・・・ が よくわかりません 

一応新品です

パっと見たところこのタービンには冷却水経路もないようなので高加熱時直後にはアフターアイドルが必要かもしれませんが

まぁ~今回どんなに頑張ってもそこまで加熱されるとは思えないので心配はないでしょう

動力をクランクシャフトから得るスーパーチャージャーですと何かと精密加工も必要になってしまいますが

ターボの場合排気圧が動力源なので細かな作業はなくパイピング次第で基本的に自由と言う事です これはありがたい

タービンをテキトウに~ポンと付けてやれば出来上がりぃ~っチュぅ~ことで・・・・・ なんてね

まぁでもね お堅い大手メーカーさんが好まないのですから数字的に良い結果をだすのは難しいとは思いますが

作る喜びとしては十分楽しめるはずなので結果どうであれチョイス的には間違っていない 最高なはずです!

当座の目標は通勤に使えるほどの信頼・・・  は・・・   たぶん無理なので

アイドリングして何とか走れる程度 とします 比較的簡単とは言えわたくし的には手さぐり未知の世界なので・・・・・。


   さてとコレを何処にセットするかです

基本的に取り付け位置は自由なのですが潤滑オイル降下の関係でタービンボディーの吐出口部がオイルパン油面より低いと別途タンクとポンプアップが必要になったりと面倒なので設置高さはオイルパン油面より高い方が構造的に簡単に済みます

針金で吊るしながらザクッと位置を決めていきます


   タービン位置が決まったら次はラインを考えながらパイピングして行く訳ですが

その前にタービン、パイプ、車体やその他各補機類をつなぐために各フランジを制作しておきます

型紙はタービンに直接紙を置き型どりし材料に複写しカットしてゆきます

おおまかな外周カットはガス切断機を使用しボルト、吸排ポートはドリリング後切削研磨で仕上げました 

さらにのちのパイピングを容易する為にカラーを溶接しておきます(左写)

ちなみにここに使用したカラーはティーパベアリングのインナーレースです

色んな作業がありますがここら辺は工作として楽しいところでもありますね

 

 

   タービンには潤滑や冷却の為のオイルが必要ですので

オイルラインも増設が必要になります

オイルの出入り口以外にも分配スムーズにする為にアルミで分配ボックス作ってみました

製造工程は毎度同じくマーキング後 粗カット 精削り ねじ切り ・・・  と言う感じです

完成品は左下の写真になります


   これはいくつか作った中のドレンブロック(エンジン最下部)です

バンジョウを取り付けてホースの取り付けを簡単にしてみました 

まっ 見た目も綺麗でカッコイイですね

ここは場所的にもタービンからの戻り油の受け入れにと予定していますが決定事項ではありません

このドレンブロックにかかわらず全ての工程は色々なパターンを試案していますので

突然の変更があるかもしれません

トライ&エラー  手さぐりゆえの楽しさがたっぷりありますので ・・・


   曲げ加工は非常に難しくもともと付いていたマフラーEXパイプはもちろん少しくらい違っていてもほぼ同径厚のパイプなら机、椅子、棚等々家具や雑貨?など目につくあらゆる物はなんでも利用し 切った貼ったの作業が朝から晩まで数日間続きました(笑

接合には低電圧アーク溶接(写ナシ)を使用し アセチレンで微調整しました

寸法出しは実測で針金や粘土で仮付けし付けたり外したりの繰り返しで少しづつの作業

です 当然図面などなく経験や勘が重要な工程なんだと痛感した

当初 曲げ加工にはストレートパイプに砂詰めを考えていたのですがどうにも上手くいかないのでこのような手法となりました

ホント大変でした

 

   なんやかんやタービン、インテーク、EXパイプ完成

実装時にはバキューム取出し等の追加加工が必要になると思いましが

そこいらへんは後々と言う事で


   こんな感じに乗っけてみました

キャブへの接続にはシリコンジョイントを使用

画像は仮付けでバンドがありませんが実際にはここはガッチリバンドで固定します

現在サージタンクの予定はありません

のちにブローオフも追加予定

 

   各パイプとオイルラインも仮付けしてみました

画像でもおわかりいただけるかと思いますが

サイレンサーは御座いません 

タービンである程度消音されると思われるので・・・

吸気はファンネル仕様でフィルターなしです


   INパイプを加工しブローオフバルブを追加してみました

機械式で先端に取り付けてあるホースから内圧を感知し内部のスプリングの強弱で制御します

主に小型自動車向けの汎用品ですのでスプリングはかなり硬いと予想されます

超柔らかいスプリングへ交換が必要になると思いますが

このへんは実際にタービンがどの程度加圧しどの程度負圧が起こるかで大きく変わってくると思われるので

試運転時にセッティングする事にします

おそらくスプリングは自作する事になるでしょう

構造はシンプルなので焦らずコツコツ調整してみます



 

 

現在進行中!! ですが

 

 

毎度気まぐれ不定期更新で

色々多忙なため完成まで何年かかるか未定です

ひきつづき気長によろしくお願い致します

 

 

 

                            Strange Factory YASU



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