冬季北海道ソロキャンプツーリング奮闘記

  

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2009~2010年末年始の連休を利用して日本最北地の宗谷までキャンプをしながらバイクで行ってきました

さてさて まず冬の北海道とはどんなところなのか考えてみてもらいたい

現地の方や冬が厳しい地区にお住まいの方、スキーなどやられる方なら考えるまでもなく簡単でしょう

雪国へ行った事のない方でも沢山の雪や寒さなど自然の厳しさを想像するのはそれほど難しくないとおもいます

さらにそれらを想像した上で 『自分もバイクで行ってみたい』 と思う方がいるとすれば 私から一言

『悪い事は言わない バカな事はやめときなさい』 と。 

 

以下 実走体験記録です

 

大洗(茨城県) ⇔ 苫小牧(北海道) ⇔ 宗谷(日本最北地)

道内移動距離 1000㎞

 

 晴天に恵まれた日は少なく吹雪も多く視界確保に必死な時もあり 路面状態は積雪、圧雪、アイスバーン

最高気温も0度前後 最低気温では-10ほどで一日を通してほぼ氷点下でした

中でも深雪での走行は困難を極め 滞在可能日数にも限りがある為

 気象、路面状況、気力体力に合わせて時間関係なく昼夜問わずの走行となり

予想どおり いやいやそれ以上の過酷なものとなりました

しかし 過酷で辛いがゆえにこそ出会う素晴しき瞬間もありました

白銀の大地に何処までも続く直線路  極寒が作り出す幻想的な空間  

どれも余計な味付けのない自然だけが作り出す壮大な世界

これら例え一瞬でしかないとしても そこに何かを感じた事は生涯の宝であり消える事はないでしよう

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指示に従い乗船するとバイクは係員により手際よく固定される

貴重品を除く全ての荷物はそのまま置いてゆくことになります

出港後は車両への立ち入りは出来なくなってしまうので

下船後のルート確認に地図なども持っていくと良いでしょう

今回は商船三井フェリー 大洗(茨城県)⇔苫小牧(北海道)

移動時間18時間と長い

船内に売店 レストラン 展望浴場(無料) 映画(無料)

インターネット(有料)等設備もあります

時間関係なくデッキにも出る事ができますので

海を眺めながらしんみりするのもなかなかです

    

 

 

 

道内の路面状態は山間部はもちろん市街地もツルツルです

それでも現地の車、トラックは70~80㎞/hとかなりハイペース

路肩には除雪による残雪があったり

走行車線にもワダチなどの関係で後続車をパスさせる事は非常に困難で

のんびり走れば渋滞を引き起こし 無理に路肩によればハンドルをとられて転倒したり

路肩駐車した為に走行可能幅が狭くなりかえって危険になってしまいます  

流れを乱さぬようにするには安全な避難所が見つかるまで車と同じハイぺースでの

走行を強いられてしまいます

結局どれも危ないなのですが・・・

 

とにかく無理は禁物です

そもそも二輪で走る事自体無茶苦茶な訳ですから

少しでも条件の良い時をねらって走ることをお勧めします

吹雪いている時や積雪量が多いときは早めの一時非難が

必要でしょうし  特にソロでの夜間峠超えは注意が必要です

転倒やコースアウトした時に自力で復活出来ずヘルプが必要な時でも

人家もなく交通量は極めて少ない為 極寒悪天候の中 助けが来るまで

ジッと耐え凌がなければならず 生命の危機と言っても大げさではありません

 

  

キャンプ地には風雪の凌げる場所が良いでしょう

設営時はもちろん 後片付けも楽です  雪上キャンプも良いのですが 天候次第では無理は禁物。 路肩は除雪の邪魔になるので×です

ちなみに冬季のキャンプ場のほぼ全てが閉鎖されているので最初から

あてにしてはいけません

テントを使用しない場合はドア付きのバス停ハウスを使わせてもらうのも方法の一つでしょう ただしバス停ハウスを使わせて頂く場合には営業時間内には使ってはいけません 時間表で確認し終バス以降始バスまでの間とし、綺麗にしてお返しする事が約束です

その他道の駅もパラパラありますので その場その場で考えて行けば良いかと思います

 

 

グループやファミリーキャンプのようにキャンプの為のキャンプでしたら

『食事』はコミュニケーションの場でもあり重点をおいたほうが良いでしょうしかし今回は宿泊の為のキャンプですので単純に疲れをとるものとしていますので私の場合食事は簡単に済ませることが多いです

当然食材も温めるだけのレトルトを多用します 煮たり焼いたりもほとんどしません。コッヘルで雪をすくいストーブで温めて出来上がりです

雪は一見綺麗なのですが実際に解かしてみると得体の知れない物質が沢山混じっていますので飲用には不向きでしょう

・・・ 私は・・・ はい 毎度飲用しますが・・・

  

辛く厳しい事ばかりではありません

時折見せる様々な表情には心打たれるものがあり

過酷であればあるほどグッと込上げてくるものがあるのは

冒険家などと共通するものがあるのではないでしょうか

旅をしていて良かったと思う瞬間でもあります

ここでのコメントが少ないのも旅人には分かって頂けるかと思います

  

  

 

日本最北地 宗谷

 

とくに何があると言う訳でもなく

この日は誰もおらず私一人  閑散としていました

記念写真もセルフタイマーで撮影

達成感を味わうも またあの過酷道を南下する事を思うと

恐怖と孤独で押し潰されそうになる がしかしその反面この様な緊張感が

またたまらなく心地よかったりと・・・。

 

  

 

 

 

冬季の二輪規制等は現在のところ得にありませんが だからと言って好き勝手にしても良いと言う訳ではない事だけはご理解して頂きたい 

万全の体制で挑戦しても現実は一か八かの過酷なものです  冬季については危険が多く事故の報告もありますし慎重に慎重を重ねる必要があります

辛く厳しい事ばかり書いてしまいましたが、日常生活では決して味わう事の出来ない感動、出会いなど素晴しい出来事が数多くある事も事実。

全て理解しそれでも 『私もやってみたい』 と思ったなら  貴方の直ぐ目の前にある北への扉を開けてみてはいかがでしょうか

結果どうであれ そこには素晴しき世界があることでしょう

 

 

   

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