佐敷隧道

2011.05.03     ■ 地図 N:32.19.00 E:130.29.35

 

 

現国道3号線よりほどよく緑の茂る旧道へと進んで行く


 

しばらくすると道はパックリ二手に分かれる

予期せぬ突然の分岐に

『アレ?! ほら出たよ どっちだ??』と一瞬戸惑ってしまうが心配無用

少し前へ出で交差点に立って左右を見渡せば解決する

左側を覗いた瞬間ドキッとする光景が現れる


 

いきなりの重圧感たっぷりの坑口出現に息をのんだ


 

佐敷隧道

1903年(M36) 延長434m  幅員5.5m  煉瓦、石積


 

煉瓦でビッシリと積み上げられた坑内


 

 

不気味感はないが照明は一切無く湧き水もあり少々ジメッとした感じがした

隙間からはカルシウム?だろうか? 滲み出てきた物がツララ状になっている


 

最深部にさしかかったころそっとキルスイッチに触れた

・・・

遠くに光が一つ 

今にも止ってしまいそうな静かにゆっくりと流れる時間

何を考えるでもなく ただここに居る

あらゆるストレスから開放されたような不思議な気分となる

いかん!

他界へ吸い込まれて逝きそうだ なんちってね

出口の明かりを目指し動き出す 


 

そして下界まで何とも言えない情緒ある旧道をのんびりと下って行く


九州西部を縦断する国道の中でも佐敷太郎峠は古くから難所中の難所で

初代佐敷隧道が突かれてから60年間日本列島をつなぐ大動脈として活躍してきたが

時代は明治大正昭和と移り 増加する通行量、大型化する車両に対応する為

1965年(S40)に二代目佐敷トンネルの完成と共にバトンを渡すこととなる

現在では登録有形文化財に登録され旧道としてたまに訪れる車両の安全見守りつつ静かに余生を送っている

 

 
 
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